【徹底比較】VOOとeMAXIS slimS&P500、どっちがいいの?
SBI証券や楽天証券が米国株式の手数料引き下げを行いました。
eMAXIS slim S&P500に投資をしていた人が直接VOOやIVVを一株から買っても手数料負けしないようになりました。
では結局VOOやIVVを買った方がいいのか。それとも今まで通り国内投資信託の買い付けをした方がいいのか。
そんな疑問を自分も含めて多くの人が持っていると思いますので、ここで検討します。
結論から言います。
直接VOOを買い付けた方がよい!
これが一つの結論です。もう少し細かい条件をつけると、
課税口座の配当金が年間20万を超えるまでは直接VOOを買い付けた方が良い!
となります。
VOOの配当利回りが2%だったとして、非課税口座が1000万になるまでです!
一番の理由はVOOへの信用です。
S&P500へ連動する投資信託を世間に広めたのがバンガードの創始者であるジョン・ボーグルです。
ほとんどの投資手法はS&P500をはじめとするインデックスファンドには勝てない
この事実を広めまくったのがジョン・ボーグルです。
多くの投資初心者が証券会社や銀行の営業マンに食い物にされたという実績がある日本ですが、アクティブ運用で損したアメリカ人もたくさんいます。
それどころか、現在の他のS&P500への連動投資信託である
ステートストリート(SPDR)やブラックロック(IVV)は株式会社の宿命に敗北し、私たち投資家利益を最大限に高めることに失敗しています。
VOOの運用手数料が0.03%に対してIVV(ブラックロック運営)は0.04%、SPDR(ステートストリート運営)は0.09%です。
日本の投資環境が今まで劣悪過ぎたためIVVやSPDRでも魅力的な手数料体系にみえますが、アメリカではこの0.01%でしのぎを削っているわけです。
昔はIVVがVOO以上の手数料引き下げを行い、手数料引き下げ合戦が行われたため、VOOとIVVは優劣つけがたい投資先でした。
しかし現在IVVは株式会社の限界を突きつけられ、VOOの手数料である0.03%に追いつけていません。
なぜそんな細かいことを気にするかというと、自分たちの投資するお金を運用する会社が圧倒的1位なのか、時代に流れでいくらでも没落するかもしれない2位以下なのかで大きく変わるからです。
IVVはVOOに敗北したことで運用資金をVOO以上に集められなくなる可能性を持ちます。
確率的にはほとんどないと思いますが、VOOの一人勝ちとなった場合、IVVは運営を続けられなくなることになります。そんなところに投資したいですか?という話です。
VOOとIVVの手数料の差は0.01%ですが、その0.01%という数字以上の『優劣』という結果ができてしまいました。
さてVOOとそのほかETFの比較はここまでです。
ここからはVOOと日本の投資信託の比較です。
日本のS&P500連動投資信託の代表格は三菱のeMAXIS slim S&P500でしょう。
私もこの投資信託は保有してます。最近運用報告書が出ていて、課税後配当込みトータルリターンがきちんと指数と連動していてとても好印象です。
これ一本に投資をしていれば将来安泰ともいえます。
しかし、日本の投資信託の運営手数料は0.15%程度です。
VOOやIVVと比べてかなり高いと感じるでしょう。
しかし実はこの運営手数料の差は本当に微々たるものです。
VOOとeMAXISを比べた時に一番問題になるのが配当金への課税です。
VOOの場合配当金がもらえるので日本だと配当金に20%課税されます。さらに確定申告を外国税額控除を申請しないと、アメリカの配当課税でさらに10%もかかってしまいます(この10%は確定申告をすれば戻ってきます)
一方でeMAXISでは配当金を自動再投資するため配当金への20%課税がされません。
しかし外国税額控除の確定申告ができません(アメリカで課税された10%が戻ってきません)
つまりVOOでは配当金に20%、eMAXISでは配当金に10%の税金がかかります。
この二つの比較なので普通に考えればVOOではなくeMAXIS slim S&P500に投資をする方がお得でしょう。(厳密には運営手数料も加味しますが、それらを加味してもVOOへの投資の方がコスト高になります。)
しかし、私たちの資産レベルではVOOの方がお得だったりします。
配当金への20%課税というのは、配当金が20万円を超えてから課されるものです。
VOOの配当利回りが2%程度と考えると、課税口座での運用1000万まではVOOの方がお得となります。
年間の運用利益が20万以下の場合、所得税15%が非課税になり、住民税の5%だけになります。
運用額1000万に満たない場合では、VOOが配当金に5%課税され、eMAXISは10%課税される
ということになります。
つまり課税額も運営手数料もVOOが安いということになります。
SBIや楽天証券での外国株購入時手数料はほぼどんなときでも0.45%になったので何年か保有していれば、VOOとeMAXISとのコスト差でペイされます。
当ブログではNISA口座でのVOO運用を推奨しておりますので、年間120万を超える投資をしたときどう投資するか?NISA口座の年間120万円は5年分の運用資産額が600万を超えた時にどうするか?そういう想定をしています。
つまり課税口座が1000万とは、トータルでの投資額が1600万くらいになることを想定しているわけです。なかなかの投資家ですね。
VOOへの信頼を改めて確認します。
日本人は今まで証券会社や銀行にさんざんな目に遭わされきました。
eMAXIS Slim S&P500は素晴らしい投資信託だと思いますが、まだできてから月日が浅いというのが最大の欠点です。
投資信託への投資先選びの基本の一つは『歴史が長いかどうか』です。
時の試練に耐えていない投資信託にあなたや私の大切な資産を長期間預けるのは難しくないですか?
突然運用手数料を上げられたとしても、私たちはすでに投資をしていまっているので、用意に資金を引き上げることができません。S&P500はほぼ右肩上がりの成長を続けるため、売却しようとするとその売却益に税金がかかってしまうのです。
実際問題米国のSPDRに投資している人は、運用手数料が0.09%とVOOの3倍であるにも関わらず、売却できずにいます。その一番の理由はSPRDが信頼できるからではなく、税金がかかるからでしょう。
一度投資を始めてしまうと、10年後、20年後に投資先を乗り換えるのは非常に困難になります。トータルリターンが著しく下がるからです。
eMAXISを始めとする最近の投資信託は10年後に追加投資を避けたくなくなるような負け組投資信託になるリスクを孕んでいるというのが現在の状況なわけです。
eMAXISは私たち投資家が時間をかけて育てていかなければいけない投資信託なわけです。
しかし、その育てるコストをあなたが追う必要はないわけです。なぜならこの記事を読んでいるあなたや私の運用資産は1000万に満たないようなビギナー投資家だからです。ビギナーにそんな義理ありません。
運用資産が1000万に満たない人は一生懸命稼いだお金を一番信頼できるVOOに投資をしながら、運用額を少しずつ増やしていきましょう。
1000万以上の運用資産を持つ投資家はVOOよりも日本の投資信託に投資した方がトータルリターンを増やせる可能性があります。そういう人はeMAXIS以外のS&P500連動投資信託や楽天バンガードなどに分散投資をして、日本の投資信託を総合的に育てていって欲しいです。
あなたの運用額が1000万に達する頃には間違いなく日本の投資環境はいまよりも整備されているはずです。
未来の投資環境については予測できません。
もしかしてS&P500だけでなくFTSE100に投資できるようになっているかもしれません。eMAXISは楽天に駆逐されているかもしれません。
未来のことはわかりませんが、おそらくVOOは健在だと思っています。
VOOに投資しながら、より最適な投資先を見つけていければいいと思っています。
長文よんでいただきありがとうございました。
毎月14日は投資の日です。
銘柄選択よりも株式投資の比率を上げるための工夫をしていきましょう。
コツコツとS&P500に投資をしつつ、一緒にお金持ちになりましょう。