『インデックス投資は勝者のゲーム』を読んで
こんにちは。
バンガード創始者のボーグルの著作を読みました。
当たり前ですが、インデックスファンドが優れていることがいろいろと書かれています。
意外と今まで考えていたことが同じで、インデックス投資への優位性の議論は出尽くしているのだなと思いました。
インデックス投資が有利な点はその再現性にあると言っています。
微妙にジェレミー・シーゲルをコラム的なところで
『お前自分の本で、最初はインデックス投資が一番いいって言ってたじゃん。まぁ心変わりするのは自由だけど』ってな感じでディスってます。
新しい投資として米国株ブロガーがやっているのは、投資用語としてはスマートベータ投資とかファクター投資というらしいですね。
過去のトータルリターンを増やすような分類しやすいファクターを抽出して、そこに投資をしていく。
高配当・増配、優良株などはファクター投資です。
本ではスマートベータ投資について、市場平均を超えるかもしれないし超えないかもしれないしと言っています。
しかし、仮に超えたとしても、それは平均への回帰からは逃れられないため、いずれ市場平均に戻るだろうと予想されています。
そしてスマートベータ投資は広義のアクティブ運用ということとされており、アクティブ運用がインデックス投資に勝つ可能性は確率的に極めて低く、
仮にリターンが市場平均を一時的に上回ったとしてそのリターンを上回り続けるような運用を続けることができるのか?それは難しいのではないかとのことでした。
本では主にアクティブファンドに対するインデックスファンドの優位性が展開されています。ファンドマネージャーが定期的に代わること、コストが高いことや、資産規模が多くなるとリターンが減ることなどが挙げられていますが、
これは個人にも当てはまると思います。
アーリーリタイヤしそうな人は、株式100%の投資ではなく、資産を減らさないために債権をもったり不動産をもったりし始めます。
途中から増やす投資から、減らさない投資を意識し始めるのです。
するとどうでしょう。その行為はトータルリターンを押し下げます。
また、仮に、株への配当再投資をずっと続けるとして、
あなたがもし高配当株への個別投資を続ける場合、少なくともその企業業績にはチェックを入れなければなりません。
そんなことずっと続けられますか?
また、高配当株は、結果を出すまでに時間がかかります。リセッションの長い時期を耐え、好景気の時にやっと利益が増えるのです。
その途中にあなたにはさまざまなライフイベントが訪れます。
その間、あなたは企業の業績をチェックし、市場平均に買っているかどうかを比較し続ける、
本当に高配当株への投資を続けられますか?
小難しく考えずに始めからインデックスファンドに投資をすればいいとボーグルも言っているように思えます。
この本では税金にも触れています。トータルリターンは通常配当再投資をした場合で語られますが、
日本では、非課税枠を超えていいると、毎年その高配当に税金がかかり始めます。配当が高い分、税金も高くなるのです。
そして、始めの一歩というのは非常に大事なことがわかるのですが、一度増えた資産を、途中でS&P500に移し変えることはできません。
なぜならそれまで積み上がったキャピタルゲインに対して税金がかかってしまうからです。
S&P500はあまり配当がもらえませんが、だからこそ有利なのです。
配当再投資をする際には資産規模が大きくなればなるほど配当金への税金の足かせが多くなります。
S&P500であれば、何も考えずに、一生保有しておくという戦略を堂々ととれます。
コストについても触れていますが、同じ指数に連動するファンドなのにコストが異なるものがあると思います。この理由としては、ファンドが投資家にとって金のなる木なのか、運営会社にとって金のなる木なのかと言っています。
VOOやIVVは経費率が一番低いです。経費率が高いファンドはあなたの資産を金のなる木にしています。
私はひふみ投信や世界経済インデックスファンド、セゾン投信への積立を漫然と続けていましたが、この本を読んでこれらファンドへの積立は停止しようと決意しました。
この本は数字のところは読みにくいところがありますが、数字以外の結論は読みやすいと思います。2日くらいで読めます。
他にも私たち投資家は為替リスクやリスク許容度、過去を参考にしてはいけない、完璧な計画をたててはいけないなど、勉強になりそうなことがたくさん書いてありました。
まだあんまり有名ではないけど、買った値段以上の価値が得られる名著だと思います。
投資知識もS&P500への金融資産もコツコツと一緒に増やしていきましょう。
インデックス投資は勝者のゲーム 株式市場から利益を得る常識的方法 (ウィザードブックシリーズ) [ ジョン・C・ボーグル ]
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